原城② 石垣の破却跡からかつての姿を想像しながら歩く ~島原・天草の城めぐり(6)

原城の本丸の散策を終え、すっかり日も落ち、池尻口門跡から撤退します。

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池尻口門跡

池尻口門は本丸へ出入りする3つの門のうちのひとつ。島原の乱後に徹底的に破壊されて埋められていましたが、発掘調査で門と思われる礎石が出てきました。

原城 池尻口門跡
池尻口門跡

階段の踏み石は抜け落ち、階段にいたる石垣の隅の角部分は特に損傷が激しく、両側とも根石が1つ残るのみですべて破壊されています。写真で見ても石垣の残存部分が少ししかなく、最大で1.7mの高さしか残っていないとのこと。

池尻口門跡をを出て本丸の下の通路を通って戻ります。

本丸 下部しか残っていない石垣
本丸 下部しか残っていない石垣

原城の石垣は島原の乱後に幕府軍によって上部と隅の部分を徹底的に破壊されました。ただ落として破壊しただけでは、落とした部分が積みあがってしまう。落とした石を全面に移動させ、その間にむけてまた石垣を崩すという念の入れよう。
そしてその上に積みあがっていた細かな石を落とし、土をかけて簡単に再利用ができないようにしたそうな。島原の乱の際に廃城だった原城が再利用されたことを教訓として「再利用させない」ことを徹底したのですね。

 

 

 

 

落とされた石垣がゴロゴロと転がっている。

埋めた石垣の下には一揆勢の死体も数多く発見されたということで、通常の破却や戦が終わった後の戦後処理とは違い、非情さが特に際立ちます。裏返すと、一揆軍がどれだけ恐れられていたかということですね。

 

原城は聞きしに勝る面白い城でした。
曲輪ひとつひとつに一揆勢の立てこもり用の小屋が建てられていたことを想像したり、天草丸に3,700~4,000人も籠っていたこととか、城全体だと一揆勢約37,000人が籠っていたとか、そして鳩山出丸の先には幕府軍が13万人ちかく布陣していたことを考えると、改めてこの一揆の規模の大きさが実感できます。
原城は確かに広いけど、この中に37,000人って決して余裕がある居住空間ではなかったはず。
今はコロナで人が少ないですが、続日本100名城に選出されたこと、世界遺産の認定が追い風になってさらに注目を浴びること間違いなし。アクセスは良いとはいえませんが、島原城、日野江城とセットで、そして天草のキリシタン関連施設と一緒にまわってみてください。

 

原城 散策ログ

今回の原城散策ログです。滞在時間は1時間20分でした。

日没で大手口、三ノ丸は車で通過しただけになってしまったけれど、二ノ丸、本丸、その先の天草丸までたっぷり堪能できました。

島原・天草の城めぐり。1日目は島原城、丸尾城、日野江城ときて原城編はこれで終了。
2日目編に続きます。

 

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東京から島原へのアクセス
JAL、ANA便で東京から約2時間。
長崎空港からは島原までは直行特急バスが出ていて、島原まで1時間40分。近い。近い。
島原で泊まったホテル


原城の宿 城
原城の三ノ丸の先、ぎりぎり史跡指定されていないところにある2018年にリノベーションしたばかりのホテル。コンパクトな宿で1人で城めぐり旅で泊まるのにちょうどよいです。朝食、夕食は敷地内の別棟の「割烹 城」でいただくのですが、グレードアッププランにしたらものすごいボリューム!海の幸だけでなく、今回は時間がなくて食べられないかなぁと諦めていた長崎名物の具雑煮南蛮コロッケもいただけました!原城のすぐそばなので原城の朝駆けのための前乗りの宿としておすすめです。

 

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