2023年の大河ドラマ『どうする家康』を勝手に応援企画!
桶狭間の合戦にまつわる城と砦めぐり。最後は鷲津砦。桶狭間古戦場伝説地から城と砦を合計7カ所を歩いてまわった旅。歩いた距離は合計10km!最後の最後まで急坂に苦しめられたけど、桶狭間の戦いで主要な城と砦の距離感と位置が把握できた充実した城めぐりでした。
鷲津城とは
桶狭間の戦いについてはこちらからどうぞ。
2023年の大河ドラマ『どうする家康』を勝手に応援企画 第一話で取り上げられるであろう桶狭間の戦いが繰り広げられた桶狭間古戦場と周辺の城と砦を一足お先にめぐってきました。 地図上のマッピングではなく、自分の足で歩いてみると立地や地形、距[…]
桶狭間の戦いで今川義元の手に落ちた大高城を織田信長側が5つの砦を築いて包囲。砦の位置が特定できるのは丸根砦と鷲津砦で、正光寺砦、向山砦、氷上山砦の位置は推定はできているものの確定はできていない。今回は位置が特定できている丸根砦と鷲津砦へ行ってきました。
Wikipediaによると鷲津砦には織田方の飯尾定宗・尚清親子が520騎とともに入っていたが、永禄3年(1560年)の桶狭間の戦いの当日に今川の家臣である朝比奈泰朝が率いる2,000人の軍勢とともに攻撃されて陥落しました。
丸根砦、鷲津砦の位置と道順は大高地域観光推進協議会「大高を巡る」がわかりやすいですが、このマップでは鷲津砦の道は急坂を登る北側のルートとなっています。城内に入った後の散策路がわかりやすいのは北側なんだけど、南側は東海道本線の側道から入ることができます。南側から入ると階段を上ることになり、ちょっと道順がわかりづらい。最後に鷲津砦をまわる、というときは北側の急坂はしんどいので、南側から入ることをおすすめします。
鷲津砦 立地について
大高城の北東側に築かれた織田信長方の砦跡。今川方に寝返った大高城と鳴海城を分断する位置にある。標高約30mの小山にあり、規模は東西25m、南北27mあったと言われている。発掘調査が入っていないので遺構らしきものはあるものの詳細は不明。
鷲津砦 縄張図
縄張図はありません。写真は現地案内板より
週刊「日本の城」の桶狭間城塞群によると
高田徹氏の研究によれば、実際の砦の場所は北側に延びる尾根先端付近である可能性が高い。
とのことで、確かにGoogle mapの3D表示で鷲津砦から大高城を眺めると、北側の先端のほうからだと氷上山砦(と想定される小山)も延長線上にあって、見渡しやすいかもですね。
鷲津砦へ
この日は大高城から鷲津砦を目指したので順番は異なるけれど、鷲津砦は大高駅の真ん前。この写真でいうと、駅のホームから見える鷲津山の奥の方にあったそうです。
今回は大高城を出た後に大高駅の西側を抜けて、鷲津砦の北側のルートを目指す。
Google Mapでは鷲津砦のピンは鷲津山の北側に立っているので、北側の急坂の入口に誘導されてしまった。
わざわざ登らなくてもよい南側で良かったのに・・・。
中山砦から丸根砦までの標高30mのアップダウンのあとにさらに大高城の標高15mのアップダウン。もうさすがにコンクリート道路の上り下りはつらいというのに
ひょっとしてあれが鷲津砦のある鷲津山!?
また登るのぉぉぉぉ~!?
えぇ、そうです。この山を登ります。しかも麓より、ある程度登ったあとのほうが勾配が強い。ヒーッ
3分で標高25m分を登って入口に到着。ちょっと休ませてくれというレベル。中に入ってさらに階段を数段登るけど、その程度の階段はこれまで上ったことと比べたらなんてことない。
鷲津砦公園の案内板。一本道の散策路。この散策路以外は藪になっている。
遺構はよくわからない状態だけど、自然地形ではないような空堀らしき形跡が。
しばらく歩くと鷲津砦の城址碑がありました。
城址碑があるあたりは平場になっている。
これは慰霊碑かな?よくわからないけど。
桶狭間の戦いの時は、今川方の重心であった朝比奈泰能の軍勢に攻められて全滅したそうです。
ここまで来て「遺構もはっきりとわからないし、戻って帰るか。あの急坂を今度は下りるのか・・・」とうんざりしたけれど、すぐ前を親子連れが歩いていて、地元の人っぽい感じ。どんどん先に進んでいくと、「あれ?これって駅に出るショートカットじゃない!?」と思い、さりげなーく着いて行くと、
結構な規模の横堀のようなものが。
日本城址研究会の「日本の城辞典」によると鷲津砦の遺構は「なし」とあったけれど、これ、自然地形なのかなぁ?城跡であるならば、普通に「横堀」と判断したくなる。
さくさくと歩いて一気に下り、東海道本線沿いの道路に出た!
そして「鷲津砦公園」の案内や解説板もあった。
こっちから登れば楽だったじゃーん!
さすがにGoogle先生もそこまでの意図は汲んでくれなかったか。そうよね。「鷲津砦」のピンスポットは北側の入口が近いしね。
砦跡をめぐってきたけれど、丹下砦のように個人の敷地内でもちゃんと看板を立ててくれたりと、さすが名古屋市は管理がしっかりしている。
最後の最後で急坂を登ることになったりと、10kmの道のり。疲れましたー。
でも、行ってよかった!桶狭間の戦いを身近に感じられました。どの砦も道が狭かったり、駐車場がなかったりと車で行くのは徒歩で行くより難しい。私は1日で全てをまわりたかったので歩きっぱなしでしたが、日程の余裕があるなら、
- 鳴海駅を起点に鳴海城と付け城(丹下砦、善照寺砦、中島砦)+桶狭間古戦場伝説地
- 大高城を起点に大高城と付け城(丸根砦、鷲津砦)
と、2回に分けて行くことをおすすめします。中島砦と丸根砦は直線距離では徒歩30分くらいだけど、細かくアップダウンするので歩くのはしんどかったです。
鷲津砦 基本情報
- 築城年:永禄2年(1559年)~3年(1560年)か?
- 廃城年:?
- 築城主:飯尾定宗ほか
- 種類:山城
- 天守:なし
- 主なタイトル:-
- 主な遺構:なし
- 文化財指定:国指定史跡
- 所在地:愛知県名古屋市緑区大高町鷲津山
- アクセス:JR東海道線 大高駅から徒歩5分(南側のふもと)、徒歩10分(北側の入口)
- 駐車場:なし
- トイレ:なし
- 売店・食事処など:なし 城内にはベンチもなく、休憩には不向き。
- 女子城メグラー 難易度:★★☆☆☆
鷲津砦は大高駅から北側の入口へは徒歩10分、南側のふもとの入口へは徒歩5分。この前に行っていた大高城から大高駅を通過して鷲津砦まで歩くと北側への入口まで約18分。北側から入ると徐々に下るので楽で散策路もわかりやすいが、たどり着くまでの急坂がとにかくきつい!南側だと駅からも近いけれど階段を上った先はうっそうとしているので登っていくのは不安になるかも・・・。と、どちらにしても初めてだとよくわからなくて行きにくい城。
遺構らしきものはあるものの、遺構かどうかは不明。発掘調査は行われていないようです。遺構を楽しみに行くとがっかりするかもしれないけれど、砦の雰囲気は少しだけ感じられます。
鷲津砦 散策ログ
東海道本線大高城からは北側入口は歩いて10分。南側入口は歩いて5分。北側はとにかく登る!コンクリート道路の上りはきつい!
郭のように整地されたエリアがあったり、横堀らしき形跡があったり。砦の雰囲気は感じられる鷲津砦跡でした。