『どうする家康』の聖地潤礼企画!桶狭間の戦いで舞台になる鳴海城ですが、直接に松平元康(のちの徳川家康)が関わっている城ではないものの、桶狭間の戦いを語る上では重要な城。2022年12月に桶狭間古戦場伝説地とともに城めぐりしてきました!
鳴海城とは
桶狭間の戦いについてはこちらからどうぞ。
2023年の大河ドラマ『どうする家康』を勝手に応援企画 第一話で取り上げられるであろう桶狭間の戦いが繰り広げられた桶狭間古戦場と周辺の城と砦を一足お先にめぐってきました。 地図上のマッピングではなく、自分の足で歩いてみると立地や地形、距[…]
織田信長方だった鳴海城と大高城を今川義元方が手に入れ、織田信長とやりあったことが発端の桶狭間の戦い。戦いが起こった永禄年間の間は今川義元の部下の岡部元信が入りました。 鳴海城は大高城より北にあり、今川義元は鳴海城と大高城の2城を取ることによって織田信長の領地だった三河を分断したのです。
現在の鳴海城は「鳴海城址公園」になっていて、城の名残は無いのだけれど、南側の竹藪が小曲輪だったと考えられている。鳴海街道沿いには江戸時代の高札場が復元されています。
鳴海城 立地について
現在は住宅地に囲まれていますが、桶狭間の戦い当時の鳴海城は西と南に伊勢湾が食い込んでいて、地続きになっている北側には丹下砦、東側には善照寺砦と、地続きの2方向には織田方の砦が築かれました。
鳴海城 縄張図
縄張図はありません
鳴海城へ
鳴海駅から約15分。駅のホームからも見える木々がこんもりとしている鳴海城。
この前に桶狭間古戦場伝説地→鳴海駅で降りて丹下砦をまわって元は織田側の城で今川義元の手に落ちた鳴海城の付け城となった丹下砦に行くためにいったん北上し、改めて南下して鳴海城へ向かいます。
鳴海城の廃材を利用して作られた山門
北側から鳴海城に向かうと途中にあるのが東福寺。Google Mapには「鳴海城移築門」とピンが立っているのだけど、お寺の案内を見ると、「鳴海城の廃材を使って作った門」ということらしいです。
鳴海城の廃材ということで、じっくり門の木材を見学。良い門だ!
そして鳴海城へ。東福寺からの道を探したのだけど、え?ここから登ると鳴海城に行けるの!?
不安に思いつつ、自転車も通れないような細い道を登っていくと鳴海城に着いた!
道で分断されているけれど、左側だけでなく右側の竹藪も曲輪の名残のようだ。
急坂を登って来たけどさらにこの高低差!
「鳴海城」とはいっても現在は遊具のある公園で、城跡らしさを感じられるのは高台にある立地あるのみ、といったところ。
ベンチに座ってコンビニで買ったおにぎりとともに昼休憩。一休みするのに良い場所です。
そしてこちらは鳴海城の東側の入口。こちらのほうが少し道幅は広いけれど、近くに駐車場はないため、車より電車で鳴海駅に来て歩くのがおすすめ。
小曲輪
詳細はよくわからないけれど、鳴海城跡公園の道を挟んだ反対側(南側)の竹藪があるこの一画は小曲輪跡のようだ。
現地で特に鳴海城に関する案内も無く、この曲輪らしき場所はよくわからなかった。
鳴海城の城跡散策はこれで終了。少しだけ城下を散策します。
城址碑のある天神社は二の丸?
鳴海城の城址碑は鳴海街道を挟んだ反対の東側にあるというので、天神社へ。
天神社は「あまつかみしゃ」と呼ぶそうです。
鳴海城の領主として着任し、鳴海城を築城した安原備中守宗範が鳴海神社建っていたこの地から別の場所に移し、この跡地には天神社が建てられたそうです。
天神社がある位置は少し高台になっていて、高台である西側の鳴海城、鳴海街道を挟んで東側のこれも高台にある天神社、という立地になっている。天神社があるあたりが二の丸?とWebサイトの中には書かれているものがあり、本丸と二の丸の間には街道が通っていたのだろうか。あるいは、鳴海街道が通ったのは街道が整備されたであろう江戸時代以降になるのだろうか?
階段を登って天神社の中に入るとすぐのところにある鳴海城の城址碑。
鳴海城から次の場所に移動する前にもうちょっとだけ寄り道をします。
高札場跡
鳴海街道沿いの天神社から少し下がったところにある高札場跡。現代に高札場があった!
現代に復元された高札場。江戸時代の姿を再現しています。
- 慶応4年(1868年) 太政官高札
「外国人への乱暴を禁ず」 - 正徳元年(1711年) 江戸幕府高札
「キリスト教を禁ず」 - 慶応4年(1868年) 太政官高札
「逃散を禁ず」
「キリスト教を禁ず」は、元号が明治になる直前の慶応4年(1868年)にも出されている!もう時代は政権が変わる「明治」の直前なのにね。ほんの数カ月の差で「キリスト教禁止から一気に開国へ」という時代の変遷を感じました。
ちなみに高札の本物は名古屋市博物館に保管されているそうです。
鳴海城の散策は以上で終わり。次は鳴海城を囲んだ付け城のもうひとつ、善照寺砦へ向かいます。
鳴海城 基本情報
- 築城年:応永元年から天正18年
- 廃城年:?
- 築城主:安原氏ほか
- 種類:-
- 天守:なし
- 主なタイトル:-
- 主な遺構:曲輪
- 文化財指定:-
- 所在地:愛知県名古屋市緑区鳴海町城3
- アクセス:名鉄名古屋本線「鳴海駅」から徒歩約15分。駐車場は無く、住宅地内で道幅も狭いので車ではなく、鳴海駅から歩くのがおすすめ。
- 駐車場:なし
- トイレ:「鳴海城址公園」内にあり
- 売店・食事処など:無し 公園内にベンチがあるのでコンビニでお弁当を糧ランチしよう!
- 女子城メグラー 難易度:★★★★★
鳴海駅から徒歩約15分。散歩感覚で行ける城跡。遺構はほとんどないが、大高城と合わせて桶狭間の戦いを知る上では重要な城。だいぶ距離はあるけれど大高城の付け城とともに距離感を感じながらまわってみて。鳴海城址公園はベンチがあるので天気がよければここで昼休憩してピクニック気分でお昼を食べるのはどうでしょう?
鳴海城 散策ログ
鳴海城自体は遺構がないため、鳴海城とその付け城群(丹下砦、善照寺砦、中島砦)をまわったログを掲載します。
鳴海駅から距離がありそうに見えるけど、鳴海駅からは徒歩約15分。途中、迷って道を外れることもあったけど、15分で到着できるなら問題なし!鳴海城が途中にあるので、先に鳴海城に寄ってからでも散歩感覚でまわれました。
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