2日目はセミナー参加を抑えて展示を見る時間は確保したつもりだったけど、まだまだ時間が足りない!
観光情報ブースを先に見るといつまでも終わらなさそうだったので3F、4Fの展示を先に見に行くことにしました。
充実した城の展示たち
日本城郭文化特別賞受賞記念 特別展示
城郭・古建築模型作家の島充さんの模型作品とお城の再現イラストで有名な香川元太郎さんの展示コーナーは、マニア垂涎の展示!
城の基礎知識の展示とともに門や櫓についての解説パネルが掲示されていたり、天守の模型は細かいところまで造りこまれている。お城初心者にはおすすめの展示内容でした。
こちらは香川元太郎氏の展示。縄張図では読み取りにくい時にイメージを膨らませたいときに重宝します。
香川さんの城郭再現図は、たとえそこに「人」が描かれていなかったとしても、「人」が存在している。生活や合戦の様子が生き生きとよみがえってくるように感じられて好きなのです。位置だけでなく高低差や規模まで遺構を再現していて、淡いタッチで牧歌的なのに恐ろしさも感じる。
筑前六端城は黒田長政が国境警備のために築かせた出城。そのうちのひとつの小石原城はシンプルな造りではあるものの斜面の畝状竪堀で守りを固めている。描かれた畝状竪堀の迫力よ!
河岸段丘に築かれた沼田城と、三筋の町割りが現在も残る水口岡山城。険しい山城の絵も良いけれど、このような城下の様子がわかる絵も良き。名もなき人々が実際に生活していたのよね。と、絵の前で腕組して見入ってしまいました。
お城シアター
城に関する貴重な映像資料を一日中上映していました。
1F~4Fまで歩き回るので一休みをするのにも良いスペース。こういう休憩スペースが会場内にあるのはうれしい。しかもずっと城に関する映像が見られるなんてなんと幸せな空間!
企画展示 描かれた城・戦・侍
合戦図や武将図など、城、戦、武将に関する絵画や屏風図の展示。
こちらは一般公開が初めてという「絵本太閤記屏風」。江戸時代後期に描かれた豊臣秀吉の一代記を屏風に描いたもの。日吉丸誕生シーンの右側の屏風には女性の神様?がいたりとかなりの脚色具合。この物語が秀吉の出世伝説の基礎となっていったそうです。
姫路城下町絵図はずっと眺めてられるね。城の様子だけでなく、街道や武家屋敷の様子もよくわかる。
「侍」に関する展示が少なかったのが残念なのだけれど、数少ない肖像画。遠くからでも兜で「清正だ!」とわかる。
熊本市にある本妙寺の土産物として描かれたのだそうです。
城の自由研究・フォトコンテスト
お城EXPOではセミナーやワークショップなど「プロ」の人の展示を見るだけでなく、一般参加ができるイベントもあって、盛り上がるのが「城の自由研究」と「フォトコンテスト」。
「城の自由研究」コーナーでは小・中学生を対象とした自由研究のコンテストでの上位受賞者の作品を展示していて面白い。一般的な知名度が低い「なぜこの城を選んだ!?」と驚愕するような城の研究結果を「きっとこの城、この子の地元の城なんだろうな」など考えながら眺めて歩いてみたり。関心したのは、「ただ調べました」という文章だけで終わらせるのではないということ。「興味を持ったきっかけ→実証・検証→考察→結果」と、本当に「研究」なのです。無理やりやらされる夏休みの自由研究とはレベルが違いすぎて、驚愕でした。
フォトコンテストは、1日目に「お城撮影の楽しみ方」のセミナーを主催した城郭写真家の畠中さんを審査員に迎えたコンテストで、普通のコンテストとは違って「城の魅力を引き出せている」写真が受賞作になる。上位受賞作ともなると「あー、この表現は難しいわ」とか、「そうそう、この城はここが魅力だよね」という城好きならではの視点で楽しめる。
畠中さんから撮影のポイントは教えていただいたので、私も来年には参加してみたいです。
2016年から始まった城好きの城好きによる城好きのための祭典「お城EXPO」に初参戦してきました! いやー、この時期は無理よー。寒いしー。と、毎年行く気になれず(冬山をガサガサ歩きまわってるくせに)、ここ数年は配信でセミナーに参加していた[…]
観光情報ブースへ
2F~4Fの企画展示をざっと見て1Fの観光情報ブースへ。セミナーメインで参加すると2日間といえど、時間が足りなすぎる!
写真では人が少ないように見えるが、あえて少なくなってきた16時頃に撮影したものです。昼過ぎまでは出展側とお客さんが入り乱れていて2日目も混雑していました。
会場の端っこにあった「長篠・設楽原の戦い図屏風」。11月に設楽原の古戦場に行ったばかりだったので感慨深い。
城や自治体のブースが並ぶ。城の資料や縄張図資料など、行ったことない城の資料を大量入手!これで城めぐり計画がたてやすくなる。
写真は犬山城の展示ブースにあったパネル展示。
この日はちょうど平山優先生の「小牧・長久手合戦」のセミナーに参加したばかりで、蟹清水砦とか北外山砦とか宇田津砦とか、うんうん、セミナーでもその話が出てきた!と後から復習するためにも撮影。
「土岐氏最後の居館」と銘打った大桑城のブースにあった模型。未訪問なので来年こそは行きたい。
そして愛知県のブースで「どうする家康」のパンフレットもゲット!
それぞれ自治体で出しているデスティネーションキャンペーンのパンフレットで、中身はその自治体の「推し」の情報が満載!
今回は愛知県版をゲットしたのだけど、少年期、青年期、青年後期、晩年期の「松潤家康殿絵図」がこれでコンプリートです!
晩年期の殿潤の陰影が素敵すぎる!
※お城EXPOでゲットしたのは愛知県版の3つのみ。それ以外は現地にもらいに行っています。
※デスティネーションキャンペーン版のパンフコレクションのみ。一般的な告知パンフはもっと持っている💜
お城EXPOで見つけたゆるキャラたち
ご当地自慢の城が集まるお城EXPO。当然来るよね。
お城でないものも紛れているけれど、会場で出会ったかわいい(?)ゆるキャラを紹介。今後のお城EXPOにも来てくれると思うので、ぜひ会場で一緒に撮影してください!
2日間参戦した感想 お城EXPOは行くべし!
セミナーの有料配信は利用していたものの、正直、お城EXPOってどうよ?行く価値はあるか?と考えていたのだけど、
結論:行くべし。行く価値アリ!
- お城に関する情報収集が一度にできる!
観光情報ブースは自治体の人が出張ってきているので、アクセス情報とか見どころ、自治体の人だからこそ知っている「推し」を教えてもらえるので効率的に情報収集ができました。 - 物販(特に書籍)コーナーでは比較検討しながら購入できる!
物販コーナーでは雑貨も多いけれど、城に関する本がぶわーっと並ぶ。同じようなテーマを扱っている本を比較検討できるのがいいですね。今現在、大型書店であってもこれほど城関係書籍のスペースは取っていないと思います。 - 出版社の出展ブースでは高額な本が割引で購入できる場合も!
神道文化や日本史、城郭に関する良書を出している戎光祥出版がブースを出していたら必ず行くべし!今回は2割引で売っていました。
城郭移築建造物大全 西日本編
ちょっとお高いので実物を見てから購入したいと考えていた本。中を見たら満足いく質と量だったので2日目の帰りがけに購入。その日に持ってきた中では最後の1冊だったそうです。間に合ってよかった!
西日本の城郭の門や建物などの移築された建造物について解説しているのですが、民家やお寺などに払い下げられて移築された建物って見つけにくい。地方へ旅行するときに「次の城に移動するには時間がないけれど、この1時間でもう1つ何か見たい!」と、欲張りたいときのバイブルにします。こういう本、待っていました!
戎光祥出版さんには「ぜひ東日本編もなにとぞ。」とお願いしました。東日本編も出してくれ~! - その場に行かないと参加できないワークショップが楽しい!
お城EXPOの良いところは「体験」もできること。特に今年は小学生くらいのお子様参加も多く(女の子2人姉妹もいたな!)、子供も参加できるワークショップもあるのがいい。小さなお子さんや若い人に対してもお城の魅力が伝わり、裾野が広がっていくことにより、また新たな展開も出てくるでしょうし。
ワタシは「マイ花押を作る」に参加しましたが、いなもとかおりさんの「石垣石鹸を作る」とか、石垣について学んだあとに手を動かして石鹸を作るとか、自由研究のテーマにしてもよさそう! - 1日城のことだけを考えられる場を提供してもらえる!
そしてこれが一番大きいかな。「1日中、城のことだけを考えられる空間」だということ。日頃の仕事や人間関係などのわずらわしさから放たれるひととき! 最高の癒し効果ではないか!と思いました。
が、もちろん課題もあると考えていて。
- 御城印多すぎ
ワタシも御城印は集めているので「お前がいうか!?」ですが、ブースにばーっと御城印が並ぶ姿はお金の匂いがプンプンしすぎてちょっと引いた。
御城印は「行った城の御城印をその時に買う=お城に対する寄付」と考えているので、個人的には相容れないなと思いました。自治体ブースで売っているならまだしも、祭りの屋台のお面売り場のような売り方だと味気ないよね・・・。 - 物販しかやっていないと立ち寄れない
観光情報ブースをまわる楽しみはお城の紹介パンフなどで情報収集ができること。御城印を中心とした雑貨の物販しかやっていないと、「買わないと悪い気がする」のでブースに立ち寄れないのが残念。
時間が無かったので今回は雑談はほとんどしていないけれど、例えば「この城に行きたいんですが、バスは1日何本ありますか?」から始まり、「地元で食べておいた方が良いものありますか?」とか「他のおすすめ観光スポットは?」とかコミュニケーションが生まれるはずなのに、それができないのはもったいないな、と。自治体にとってもアピールの場だと思うのに。最低限、城の展示であるなら、城に関する資料くらい配布してくれー。それをとっかかりにいろいろ聞いたりしてみたいんだよー!と、閑散としているブースを見て感じました。あれは気軽には立ち寄れん。 - セミナーはアーカイブ配信してくれ!
セミナーが時間被りするんだよ!平山先生の小牧・長久手合戦のセミナーと中井先生・加藤先生の「倭城を歩く」が被ってるんだよ!
わたしゃ倭城のセミナーにも参加したかったんだよ!
と、会場で偶然会ったいなもとさんと立ち話をしたのだけど、もう、金払うよ。城に対して貢ぐよ。ワイら嵐が活動停止して貢ぎどころを失っているから推しに投下するよ!(本気)
権利関係とか諸々のハードルが高いかもしれないですが、今回、時間被りが発生して断念したセミナーもあるので、短期間でも構わないので、偉い人のみなさん、何卒ご検討を!
数年前と比べて観光情報ブースのフロアも広くなっているようだし、またさらに来年は来場者は増えるでしょう。
でもこういうのって地域格差があって、東京近郊の人は参加できても地方の人は交通費や宿泊費をかけて参加するのって大変。せめてセミナーだけでも配信してくれるといいな、と思いました。よいイベントであるからよけいにね、そう思います。そして来年も参加するぞ!
お城EXPO 2023の2日間のレポはこれで終わりですが、「マイ花押づくり」がとてもとても面白かったので、マイ花押づくりだけで後日、レポしようと思います。
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