天空の白鷺をあとにし、西の丸へやってきました。
西の丸 男子禁制エリアに攻め入る!
千姫やお付きの侍女たちもこうやって眺めたのでしょうか。
長局は階段を上がって上の階に出れば、少しは明るいけど、とはいえ暗い。西の丸では「ヨ」から「カ」の渡櫓にかけてが女中部屋だったそうです。こんなところに何人かで詰め込まれたら、気分が暗くなるなぁ。
下女中(しもじょちゅう)の部屋はこんな感じ。
身分が高ければ畳敷きだったけど、このくらいの規模のお部屋だと床の上にムシロを敷く、そんな感じかな。
廊下もとても暗いのです。
当時は”ふすま”はあったのかな。外から丸見え???
あるいはこれは部屋としてでなく、物置きかなにかで使われたのかしら?
一段、段差がある廊下。ここから先はちょっと身分があがります。
上女中(かみじょちゅう)の部屋かしら。上女中からやっと畳を敷くことができました。
さらに一段。今度の段差は大きいぞ。
ここから先は、さらに身分が高い「総取締役」の部屋となり、広い部屋を一人占めなのです。
確かに広いお部屋で、資料が展示されていたのだけど、そのおかげで人が集まっていて、写真を撮るのを忘れました・・・。
女中の部屋とは異なり、そこそこ陽もあたっていて良いお部屋でしたよ。
窓がおしゃれだったので撮影してみた。
でも、そのおしゃれな窓の横には敵を打つための狭間が・・・。
写真を編集すればもっと明るくなるのだけど、見たままの「暗さ」をお伝えしたかったので、そのままでお届けしています。
昼間でさえこんなに暗いということは、夜になったら完全に「闇」。ろうそくの灯がないと、心細いよな。
そして千姫の化粧櫓に到着。
さすが千姫のお部屋。とても広いです!
写真を撮ったのは部屋のちょうど真ん中ぐらい。ということからこの部屋の広さが推測できますかね。とにかく広いです。
化粧櫓は、千姫が本多忠刻に嫁いだ時の持参金の10万石の化粧料をもとに作られました。
千姫は徳川家康の息子の秀忠、その正妻の江の娘であり、家康にとっては孫娘。将軍家の姫を嫁にもらうのはとても名誉なことではあったけど、受け入れるほうは一大事。かつて江戸にあった加賀の前田家に11代将軍の家斉の娘が嫁いだ時は、赤い門を建てました。この「赤い門を建てる」ということは、将軍家から嫁ぐ姫を受け入れる際の慣例だったそうな。それが今の「東大の赤門」であるのは有名な話。
持参金をもって嫁いできたとはいえ、大切な姫(しかも、豊臣秀吉の息子の嫁でもあったわけだし、ものすごい血統!)に嫁いでいただくというのは、受け入れるほうは大変だったようです。
このお部屋は書院風の造りで、極彩色の障壁画が描かれていたそうな。
床の間もありました。床の間があるのは化粧櫓と帯の櫓のみというのだけど、帯の櫓ってどこのことだ?見つけることはできませんでした。
ここは「すぐ近くの男山にある神社に参拝するための身支度を整える場所兼休憩所」なわけだけど、その広さ、しつらえからも「特別に造られた部屋」ということが実感できました。
なんせ、他の部屋と違って窓も大きくて数も多い!
窓は多く作れば作るほど耐久性は悪くなるはずだから、窓の多さからもしっかり作られているんだろうなぁ。なんて贅沢な!
百間廊下の部屋(局)には何もなく、素通りされていたけど、千姫の化粧櫓はさすがに混んでいました。今後は百間廊下の局にもいろいろと展示物が置かれるそうなので、もっと当時の生活がわかるようになるのではないでしょうか。
さて、江戸時代の空気をたくさん味わいつつ、化粧櫓を出て出口へ。武者溜りに出ます。
こういった長局は、天守のすぐそばにある備前丸の南側の石垣の上にもあったそうです。
やっぱ、きれいだなぁ。
姫路城の狭間はビジュアル的にも凝っていて、様式美と機能美を追求しまくってます。
菱の門を出て、入口付近で100名城スタンプを押して姫路城を後にしました。
日本の世界遺産第一号と認定された姫路城。
今回記載した「見どころ」はたぶん、半分にも満たないと思います。
天守の中に入れるようになったら、もっともっと見るところが増えるし、時間の都合上、有名どころの門をいくつかスキップしているのです。今回、姫路では城下町グルメを味わうことはできなかったので、天守の中に入れるようになったら、また訪れたいと思います。「姫路おでん」も「穴子」も食べられなかったし。
写真は「大河ドラマ館」。まだ開館前でした。ここも混みあうのでしょうね。
赤いのと青いのは姫路城でいただきました。
右上は入口近くの売店で売っていたパンフ。左上はそのパンフが入っていた袋。
このパンフ、500円だったんだけど、とにかく詳しい。このブログを書く際にも参考にさせていただきました。
最後にもう一枚。
早く天守の中に入ってみたいな。
姫路城を旅するなら? おすすめの本
日本100名城めぐりの旅: 7つの「城の楽しみ方」でお城がもっと好きになる!
姫路城というお城の楽しみ方を教えてくれる本。
ワタシは姫路城に行く前に読んで行きました!他にも会津城や大阪城などいろんな城の楽しみ方を教えてくれます。読み物としてもおススメです!
レンズが撮らえた幕末日本の城
明治に入って撮影された城の写真が充実!
取り壊される直前の壁の漆喰がはがれおちたり、瓦が外れて落ちそうになっているのを見ると、幕末、城の修理になんてかまってられない諸藩の事情もよくわかります。
姫路城の天守も今はきれいだけど、壁はボロボロ、瓦ははがれて屋根もでこぼこ。取り壊されてしまった建物の様子もわかって面白い!