2022年11月。ふるさと納税で清水門復元プロジェクトに寄付したリターンとして白河小峰城の城下町散策ツアーに参加してきました!
2016年に訪れたときは修復中で本丸の前御門からは入れず。でも2022年の現在はすっかり元通りに。今回は2016年の修復中に撮影した写真とともにお伝えします。
白河小峰城とは
白河小峰城は水堀に囲まれ、本丸から広がっていく梯郭式の城。奥羽の伊達氏への押えとして幕命により1627年に棚倉城から移ってきた丹羽長重によって築かれました。
本丸跡には1991年に天守に相当する三重御櫓が、1994年には本丸東側の前御門がそれぞれ当時の資料に基づいて復元されています。
2011年の東日本大震災では清水門の先の帯曲輪、竹ノ丸そして本丸の一部は修復のため立ち入り禁止に。
写真は2016年時点の侵入禁止エリアですが、当時は清水門を入って右にまわり込み、復元された前御門を通って本丸に入るのですが、この時は桜門から入り、三重御櫓に入っただけで終わってしまいました。
現在は被災前に公開していたエリアはすべてまわれるし、白河小峰城の東の裏側の杉林が伐採されたばかりの180mの石垣も見ることができます!
白河小峰城へ
新幹線が停まる新白河駅から路線バスやJRでレトロでかわいらしい白河駅へ。白河駅がある場所が城内だったこともあり、そこから本丸まではすぐ。私は白河城だけでなく白河城下や関川寺館にも行きたかったので、新白河駅で自転車をレンタルして途中、奥州街道をあえて通ったりしながら散策しました。新白河駅前にあるホテルでレンタサイクルの受付をしているので、自転車でまわるのもおすすめですよ。
まずは、最近発見された石垣を紹介!
杉林から出てきた!東側丘陵地の180mもの石垣!
白河小峰城の北東部の裏側につい最近発見された180mにわたる石垣があります。
バイパス道路を通す工事のために2021年から2022年にかけて杉林を切ったところ石垣出現!しかも状態がめちゃくちゃいい!
位置は旧奥州街道(国道294号)から白河バイパスに入ったところ。下記の写真の赤丸を付けたところです。
近づくことはできないけれど、写真で見ると石がとても丁寧に積まれていることがわかる。
杉の木を刈ってくれてありがとぉぉぉぉ!
石垣は岩盤を利用して作られていて、目視ではよくわからなかったけど、ふるさと納税のリターンによる城下町ガイドの際に教えていただいたのですが、一部、石垣が途切れているところがあり、それは岩盤をそのまま石垣のように利用しているそうです。
なお、白河小峰城のシンボルである三重御櫓がある本丸はこの写真でいうと右奥でずっと先。これにより、かなりの広さが城域として使われていたことがわかるようになりました。
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白河小峰城は「表」の本丸の石垣もすごいけど、「裏」もすごい
なお、この石垣を撮影するなら午前中に来ることをおすすめします。午後に来ると逆光になってしまい、14時でも石垣が真っ暗になってしまった。
それでは城外から三の丸へ入っていきましょう!
城外から三ノ丸門へ
白河小峰城の城下町は大手門跡から東西に走る水堀と並行に奥州街道が通り、その街道は城の東側で大きく曲がって北に抜けます。奥州街道沿いにはかつて宿場町であった名残があり、それでいてメインストリートから路地に入るとハリストス正教会があったりと、江戸から明治、そして大正・昭和レトロの雰囲気も楽しめます。
大手門跡
奥州街道から大手門通りに入ったところに大手門がありました。
写真左側で掲げているのが大手門の絵図。「白河大手西角 高田四郎兵衛」と書かれているけれど、絵の左側にある蔵っぽいのがこの高田四郎兵衛のお店でした。「御目薬」とあることから目薬を打っていたんだろうな。
現在地はその大手門の絵図でいう広場のような場所。この奥に水堀とその先に大手門があり、さらに右に折れてもうひとつ門がありました。(右折れしたところにあった門の位置については、今は個人宅があるので写真は割愛です。)
写真を撮った位置はここ。上(北)に白河小峰城があります。大手門の名残は無いけれど、「大手門通り」と名が残っているのでGoogle Mapで探して歩いて本丸との距離感を体感してください。
道場門跡
大手門からそのまま北の白河小峰城の本丸を目指すのではなく、少し寄り道してもうひとつの門へ。白河駅のすぐそばにある道場門跡です。道場門は白河小峰城に設定されていた18の門のうちのひとつ。約4mの高さの石垣で囲まれていて、道場門を通るとすぐに番所も置かれていました。
ちなみにこの反対側はこんな感じ。
「カラオケ」の建物から駐車場あたりの道に注目!水堀跡だそうです。
ゆるく波打っているというか、他の道とは異なっているのがわかるかな?かつて水堀だったということで地盤が緩く、何度工事しても道路が変形してしまうそうです。
そしてこれが道場門跡だ!
この石垣は復元ではなく、残っているそのままだそうです。この上から右側に向かって道場門が建っていました。
この通路の左側を抜けて現在図書館があるあたりに道場小路という道がありました。この道場小路は「奥州白河城下全図」に道場門とともに載っています。
道場門跡についての説明はこちら。「現在地」は上の写真でいうと右側に当たります。
礎石は埋め戻されていますが、『白河城御櫓絵図』の「道場門平面図」のまま、礎石があった場所には四角い石が置かれている。
現地の案内によると、
『白河城御櫓絵図』によると道場門を正面から見た姿、横から見た断面図が描かれており、これによれば門の形式は平門で、屋根は切妻造りで杮葺きだったことが分かります。
ということで、シンプルな門だったようだ。
右側より左側のほうが狭めに礎石が置かれていて、左側はくぐり戸だったのかもしれない。
三の丸
三の丸は現在は区画もだいぶ改変されているのでわかりづらいけど、発掘調査で三の丸門がどこにあったかはわかっています。
三の丸門跡
現在の白河小峰城の駐車場になっているのが三の丸。現在は埋め戻されてアスファルトの下ですが、発掘調査ではこの駐車場の出っ張ったところに三の丸門があったそうです。
ふるさと納税のリターンで参加した白河小峰城の城下町散策ツアーで教えてもらいましたが、平成6~7年(1994年~1995年)に発掘調査が行われた時は、大量の瓦や炭、焦土が出土し、さらにその下から門の跡が出てきて、白河石の礎石が5基確認できたそうです。他にも石組の水路や通路も確認できたそうな。
「炭や焼土」でピンときたあなた!
お察しの通り、三の丸門は戊辰戦争の時の火災により焼失したと考えられています。
二の丸への入口は西の会津門、南の二の丸門、東の藤門と3つある。駐車場から入ると二の丸門が一番近いので、たいていの人はこのニの丸門から入ります。まずは西の会津門から。
会津門
西側(会津川)に面しているので会津門なのか?
会津門跡自体はなかばモニュメントのようになっているけれど、ここから眺める水堀がいい!
ここが見どころ! 水堀、本丸とその帯曲輪
会津門付近から眺める景色がいい!水堀に帯曲輪の石垣。さらにその上にある本丸の石垣!
かつては何重にも組み合わされた水堀も現在は本丸の西側から裏側までの一角のみ。貴重な景色なのでぜひ会津門まで来てみてもらいたい!駐車場からもすぐですよ!
藤門
二の丸の東側にあった藤門跡。
藤門を出て三の丸に入り、そのまま東側にある北小路御門を出ると東に向かって北小路という道が通っていました。現在もその道は残っていて、道沿いには三の丸門に付属して建っていた太鼓櫓が移築されています。
二の丸
本丸から清水門を通った先にある変則的な台形の二の丸。周囲には水堀がまわっていて二の丸の南側の太鼓門、東側の藤門を渡ると三ノ丸に出ます。
現在の二の丸はお土産売り場を併設したレストランの施設「二の丸茶屋」と「白河集古苑」がある他は広場となっていて、天気が良いこの日はピクニックしている家族連れもいました。なお、白河集古苑では鎌倉時代から戦国時代まで白河を領していた結城氏に関する資料と江戸時代の白河藩の資料展示をしています。
二の丸の正面玄関 太鼓門跡と太鼓櫓
二の丸の密かな見どころはかつて南側にあった太鼓門と太鼓櫓跡。南側にある駐車場(三ノ丸跡)から入るとここに出るのだけど、意外と気づかれずにスルーされてしまう。
垣根で囲まれているのはかつての水堀跡。撮影した角度がよけいにそう見えるけど、右側の堀が左側の堀よりも手前にある。この土橋を渡って二の丸に入るわけだけれど、土橋を渡り切った先に太鼓門がありました。
さらにその少し離れた左側に太鼓櫓があったと想定されている。
その太鼓櫓は二の丸の藤門を出て、三の丸の北小路門の先からのびる北小路に移築と改築を繰り返して現在は建っています
太鼓櫓については白河小峰城にふるさと納税をして参加した城下町ガイドの記事で紹介しています。
2022年11月。東北の玄関口となる福島県の白河小峰城に行ってきました! 東日本大震災で崩れたりずれてしまった石垣は2016年に訪れた際は修復中でしたが、今はすっかり積みなおされ、観光客も戻ってきていました。 白河小峰城にふるさと納税を[…]
二の丸からは帯曲輪と本丸の壮大な石垣が見える。現在は高石垣が堂々と建っていますが、東日本大震災後の2016年は修復中でした。
石垣の合間に生えていた草もすっかり刈られて現在はきれいになり、石垣も鑑賞しやすくなっています!
>>清水門から入って帯曲輪へ
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