山中城 これぞ関東ローム層の底力!絶対よじ登れない堀 ~山中城の畝堀・障子堀に入りにいく!①

2021年 最初の城旅は山中城。
昨年度にふるさと納税で寄付したことに対する返礼品として、山中城の畝堀や障子堀に入れるという城好きにとってはたまらない企画💕に参加してきました!
返礼品の特典は他にも「自分の名を記した幟(のぼり)が城内に立てられる」というのもあり、こちらも参加しました。
今回のイベントはお堀の中に入れるということだけど、学芸員さんの指導のもとに入る特別企画。通常は堀の中に入ることはできません。写真撮影も「ふるさと納税・クラウドファンディングの企画として参加」のもとに許可をとっています。
東京から三島まで新幹線で約45分。三島駅からはバスで30~40分。
三島駅周辺は道が混んでいて、この日は40分ほどかかりました。一度バスに乗ってしまえば、岱崎出丸と三ノ丸の間にある集合場所の売店付近までは連れて行ってくれるのでらくちん。
受付を済ませるとマップが配られ、自分の幟が出ている場所を教えてくれました。集合時間まで余裕があったので、岱崎出丸に出ているという1本目の幟を探しに行くことに。
「お城に恋して」のぼり発見!
「お城に恋して」のぼり発見!
ありました!サイト名もちゃんと入ってる!ちょっと感動。

岱崎出丸の幟の位置だけ確認して待ち合わせ場所へ戻ると、午前の部に参加したお城仲間さんの襲撃に合う。昨年の2月以来、久々にお会いしました!誰かしらいるだろうなと思ったけど、お仲間さんに会えるのは嬉しい。
午前中参加組だったようで、「また一緒に旅しましょうね。」と再会を誓いました。

 

2班に分かれて山中城の散策スタート。まずは、豊臣秀吉ご一行様が進軍してきた旧東海道(箱根道)を岱崎出丸に沿って南に歩いていく
雨上がりの旧街道
雨上がりの旧街道
石畳の雰囲気がとても素敵なんだけど、前日は雨で、当日の午前は霧がかかっていたくらいの天気の悪さで、雨上がりの足元はとにかく滑る。
この地域の特色である関東ローム層の土壌は滑りやすく、かつては竹が敷かれ、江戸時代の初期には石が敷かれたというけれど、石のほうが滑るんじゃないかと。雨上がりにはちょっと危険です。

岱崎出丸と一ノ堀

岱崎出丸から西側の一ノ堀を眺める
岱崎出丸から西側の一ノ堀を眺める

通常の見学ルートは売店のそばの階段を上がって岱崎出丸から一ノ堀を上から眺めるルートです。
いつもはこの光景。堀の中に梯子かかっている。今回はこの梯子を下りるんです!

この日は旧街道から許可をもらって私有地を入り、少し登って一ノ堀に出た!

※この通路は私有地なので普段は通ることはできません。
おっと。岱崎出丸側に人を発見!
見よ!この高低差!
見よ!この高低差!
改めてこの高低差を見よ!これでまだ堀の中には入ってないからね!それでも十分な圧迫感。
そして
広角レンズすごっ!
同じ位置から比較用に撮った写真と比べると迫力が全然違う。
一ノ堀
一ノ堀
一度使い始めると、城めぐりには欠かせないレンズになってしまった。ソニーの10-18mレンズ、SEL1018 すごいな。

 

話は元に戻りますが。
うねうねがきれいに並んでいるそばを歩いていく。どこから眺めても美しい。

一ノ堀を見ながら歩く
一ノ堀を見ながら歩く
写真では堀の中はそんなに深いように思えないのだけど、実はこの一ノ堀が今回のお堀体験では一番深くて降りるのが怖かった
畝の上に降りて、そこからジャンプして降りるとすれば怖くないのですが、保護のことを考えると雑に降りるわけにもいかない。梯子をかけてもらって降りる堀底は深く、急こう配なんです。
一ノ堀の中
一ノ堀の中
中は広いように見えて、上から狙われて逃げることを考えると狭い。絶妙なサイズ感。
学芸員さんの説明によると、この一ノ堀でいうと畝の高さまでは1m20cm~1m50cm。現在は保護のために埋められて芝生が植えられているので本来の高さは畝のてっぺんまで1m80cmあるという。
堀の中に入ったらかなり深かった
堀の中に入ったらかなり深かった
堀の中に入って、ワタシの目線で撮った写真。153㎝のワタシが頭が出るくらい。
ワタシは底の厚い登山靴を履いていて155cmくらいにはなっているだろうから、本来の高さを逆算すると、畝の高さは私の身長くらいだと思います。戦国時代の男性の平均身長が158cmというから私よりちょっと高いくらいだと甲冑を付けてこれを登り降りするのは大変だ。甲冑を付けていなかったとしても関東ローム層のつるっつるの土壁は登れないですわ。
全部の堀の畝の高さがこのくらいのサイズ感というわけではなく二手に分かれて降りたのだけど、ワタシが下りなかった、すり鉢曲輪に近いもう一方のほうはさらに深かったように思います。そちらは体感160㎝、本来の高さは180㎝くらいあるんじゃないのかな。あれは傷つけないように降りれる自信はなかったです。

 

でも、この芝生がはってある状態なら、登れるんじゃないかとちょっと思ってしまう。それがこのあと、覆されることになります・・・。

 

三ノ丸

一の堀から岱崎出丸へ登り、御馬場曲輪を通って三ノ丸方面へ歩く。
三ノ丸の西側にある堀へ到着。ビニールシートが敷かれている周辺が令和元年の台風で崩れてしまったところです。これまた規模の大きな堀。長さは180m、幅は最大で約30m、深さは8mにもなるという。
本来の散策コースからの三ノ丸の堀
三ノ丸の堀
散策コースからの三ノ丸の堀はこのように見えます。
三ノ丸の堀にも入った
三ノ丸の堀にも入った
うんうん。広いね。堀も深いね。
これを間近で見るとこうなります。

高っ!
さらに真正面から向かうとこうなります。

壁!? 崖ですか!?😂
登れる気が全くしないのですがっ!🤣

 

壁だよ壁。もし命令されても「登るフリ」だけで諦めるね。

 

ドリフの坂道コント以上だよ!

 

無理無理無理無理な無理ゲー。
例えば山中城の堀という堀がすべてこの傾斜角度だったとしたら、どこであろうと登る気は失せる。そして恐ろしい。

 

ここは本来は空堀だったのですが国道1号線を通したときに遮断されてしまい、雨水が溜まりやすくなってしまったそうです。実際、修復中のところは前日の雨でぬかるんでいました。
本来の堀であった土の上に保護のために土を重ね、それが大雨で滑り落ちたという。なので露出してしまった土の部分は400年前の土壌だというので、それは興奮するよね。と心の中で思う。
三ノ丸 堀底
三ノ丸 堀底
堀底を歩いて脱出する。2人が並んで歩けるくらいの幅だけど、保護のために埋め戻されているだろうから1人が通れるくらいの幅だったんだろうな。

 

岱崎出丸を落とし、この三ノ丸の堀に沿って進むのは秀吉軍の渡辺勘兵衛の進軍ルートとのこと。今回、我々はまさにそのルートを侵攻しているのだ。それを堀底から眺めることによって通常よりさらにその土木量と技術が体感できるというのは面白い。

 

田尻の池 箱井戸

三ノ丸の堀を出て、田尻の池箱井戸に着きました。写真の箱井戸の奥にワタシの2本目の幟があるらしい。
箱井戸
箱井戸
箱井戸の奥の二本目の幟チェックは後で行くとして、二の丸を目指して登ります。

 

まだまだ関東ローム層の恐ろしさが体感しきれていないのだけど、この後、絶望感を味わうことになるのです。
山中城
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