大鳳山砦と中島城 小谷城の西の守りを担った城

大鳳山砦を後にし、大堀切を越えた先の中島城へ入っていきます。

中島城とは

元亀争乱の小谷城攻防の際に使用された中島城。丁野山(岡山)にある丁野山城から中島城、大鳳山砦と尾根続きで築かれていることから、浅井氏によって築かれ、丁野山城の出城であったと考えられている。築城年代は不明。

現地の案内板によると、元亀争乱の際には浅井家の重臣である中島宗左衛門直親(なおちか)が布陣したということから「中島城」と名付けられました。

中島城 立地について

小谷城の西側に位置している小高い山にある。北国脇往還を挟んだ先に小谷城があり、元亀争乱の小谷城での戦いでは織田信長方をくい止める重要な役割を担っていました。

中島城 縄張図

中島城 縄張図 案内板より
中島城 縄張図 案内板より

写真は中島城の虎口付近にあった案内板にある縄張図ですが、天地を逆にして上部が北になるように配置しています。大鳳山砦から来るときには画像の右から、丁野山城へ向かう場合は画像左側の出丸の上を通って抜けることになる。

中島城はざっくり言うと2つの曲輪から成り立っている。主郭は約10m四方の曲輪。上記の画面では右側の四角いエリアとなるのだが、高い土塁で囲まれていて土塁には折れも見られる。さらに大鳳山砦側から来る際には主郭の東と北に土塁を巡らせている。しかもこの東と北の土塁の間から入ってきた場合でも素直に主郭には入れないようになっているという芸の細かさよ!
そして主郭の西側の虎口の先にこれまた土塁で囲まれた四角い曲輪がある。二郭?副郭?出丸?様々な呼び方があるけれど、ここでは「副郭」とします。
福郭の西側は一段下がったところにさらに曲輪と思わしき削平地がある。主郭、副郭ともに10分ほどで見終わるほどの広さなのだけど、コンパクトでも凝った作りになっています。

 

中島城へ

前のページで大鳳山砦を取り上げた際に中島城の入口については掲載しているが、ちょっとだけ再掲。

虎御前山城を出て263号線を北上すると道路の左側に中島城、右側に小谷城があり、その距離の近さに驚く。

大鳳砦にいったん入り、中島城との境の大堀切を越えると・・・

中島砦側から見た大堀切
中島砦側から見た大堀切

「中島城 登り口」の案内板が見えてくる。

中島城 登り口の案内
登り口の案内に沿って登っていく

「本当にこの道でよいのか?」と不安になる頃に中島城の案内板が見えてくる。どうやら主郭に沿って歩いていたようだ。

中島城 副郭への入口
中島城 副郭への入口
中島城 案内板
中島城 案内板

この案内板の縄張図でいうと、南西(左下)の堀切を越えて主郭に沿って歩いてきて、「現在地」のところから入っていく。
中島城の案内板を正面にして、左が主郭で右が副郭となる。まずは副郭へ。

中島城 副郭

中島城の副郭はシンプル。よく見ると土塁がまわっているのがわかる。

中島城 副郭
中島城 副郭

中島城の登り口にもあった丁野山城・中島城の案内図がここにもある。

丁野山城・中島城の案内図
丁野山城・中島城の案内図
中島城からの景色
中島城からの景色

 

中島城 主郭

縄張図の案内板までいったん戻って反対側の主郭へ。

中島城 主郭
主郭の土塁の合間を入っていく

主郭は副郭ほど整備されていない。草が多い季節に行ったものでわかりにくかったのだけど、主郭のまわりの土塁と主郭の間を歩いていたはずが、主郭の中央部に入り込んでいた!主郭の中央の平場は副郭と比べるとだいぶ狭く感じる。それでも土塁がまわっていることは判別つきました。

中島城 主郭
中島城 主郭
中島城 副郭
主郭から眺めた副郭

中島城の散策はこれで終わり。小さな2つの曲輪なのでさくっと見て最後の山登り、丁野山城へ向かいます。

中島城から一気に下って丁野山城へ
中島城から一気に下って丁野山城へ

中島城から丁野山城へ行く道すがら、東屋がありました。ここで一休みをしたりお弁当をもってランチをするのもよいね。
しかし雨がポツポツ降っていたので休憩もせずに先を急ぐ。さらにぐぐーっと降りていきます。

中島城から丁野山城へ坂を降り切ったところで中島城と丁野山城との分岐に着きました。よく「中島城の入口」として城関係のブログや訪問記にも出てくる景色ですね。

中島城と丁野山城の分岐
中島城と丁野山城の分岐

丁野山城を訪れた人のブログなどを見ると、「車で来た人はここに車を停める」とあったけど、ここまでどうやって入ってくるんだろう?一応、1~2台停められるスペースはありました。(写真の左側です)

大鳳山砦、中島城編はこれで終わり。丁野山城編へ続きます。


『現代語訳 信長公記』
織田信長の側近だった「戦国メモ魔」の太田牛一が書き記した記録を現代語訳で手軽に読めます。大鳳山砦、中島城についての記述はほぼ無いのだけど、虎御前山城の築城の経緯について書かれています。
この本があったから安土城の天守も想像ができる! 織田信長の日常がこれでわかります! 信長さん、家康に負けず劣らず「鷹狩り」が好きなのね~。

 

中島城 基本情報

  • 築城年:?
  • 廃城年:天正元年(1573年)?
  • 築城者:? 中島宗左衛門直親?
  • 種類:山城
  • 天守:なし
  • 主なタイトル:-
  • 主な遺構:曲輪、土塁、堀
  • 文化財指定:-
  • 所在地:滋賀県長浜市小谷丁野町829
  • アクセス:JR河毛駅より徒歩15分
  • 駐車場:中島城入口(小谷城の向い)に車数台を停めるスペースはある
  • トイレ:なし JR河毛駅ですませておいたほうがよい
  • 売店・食事処など:なし
    2023年4月現在、最寄りのJR河毛駅周辺から中島城への道中ではコンビニはなく、食事ができるような場所もほとんどない。お昼頃に行くなら事前にお昼を調達しておくべし!
    大鳳山砦から中島砦にかけてはところどころに木製ベンチはあるが、公園化されているわけではないので「ここでお昼を食べよう!」という感じではない。中島城の副郭に木製のベンチとテーブルはアリ。あとは中島城から丁野山城への下りの道の途中に東屋があるのでこちらのほうがおすすめ。
  • 女子城メグラー 難易度:★★★★
    JR河毛駅から中島城の看板と冠木門がある登山口までは歩いて20分ほどで行けるお手軽な城。大鳳山砦から中島城まではまっすぐの道のりで迷うこともない。登りの勾配もそれほどでもなく、散歩感覚でまわれるが、ある程度足元はしっかりしておいた方がよい。スニーカーよりはローカットの登山靴くらいがおすすめ。4月後半でも散策路は草木が刈られていて、藪漕ぎをする必要はないが、遺構の見やすさからいうとやはり行くのは冬がおすすめ。
    虎御前山城とは異なり、道中、人とすれ違うことはなかったので、天気が悪い日はちょっと怖い
    なお、JRの電車の本数が少ないので、事前に調べておかないと駅でぼーっと待ち時間を過ごすことになるので注意!
    河毛駅にはこの地方の城に関する展示が見ごたえがあり、お土産も売っていて電車を待っている時間があっという間でした。それを考えると南から入って北に抜け、時間が余ったら河毛駅で過ごすのがおすすめです。
  • 登城日:2023年4月29日

 

大鳳山砦・中島城 散策ログ

中島城の登り口から大鳳山砦と中島城をめぐって丁野山城との分岐までは約20分。比高も30m程度という気軽な城散歩でした。
雨が降っていなければもっと中島城を散策したかった!

大鳳山砦、中島城 散策ログ
大鳳山砦、中島城 散策ログ

大鳳山砦、中島城編 終わり


元亀元年(1570年)から元亀3年(1572年)の3年にわたって織田信長が近江の諸勢力と戦った騒乱のこと。浅井長政の居城であった小谷城の攻防戦が有名。
姉川の戦い 血原
小谷城
虎御前山城
大鳳山砦と中島城
丁野山城
山脇山 明智光秀陣跡


ブログランキング参加中
更新の励みになります!ぽちっとひと押しで応援お願いします!
中島城・大鳳山砦 入口
最新情報をチェックしよう!