滝野川城 豊島氏と源頼朝も目を付けた立地に注目! 東京お城散歩③

東京から遠出をせずに城めぐり。かろうじて城址碑があるような、伝承だけしか残っていないような城跡を「東京お城散歩」としてめぐります。
今回は京浜東北線の王子駅から徒歩10分のところにある駅近物件。豊島氏の一族である滝野川氏の居城だった滝野川城です

 

滝野川城とは

豊島氏の一族である滝野川氏の居城。
王子駅から徒歩10分ほどの金剛寺が滝野川城だと伝わるものの、遺構が見つかっていないことから「金剛寺がある付近らしい」と推定されている。
滝野川城は築城からまもなくして太田道灌に攻め落とされ、豊島氏の滅亡とともに廃城になったと考えられています。

滝野川城築城時期と伝わる文明年間(1469~87年)前後の遺構よりも、それから時代を遡った平安末期に起こった源頼朝の平家討伐のエピソードのほうがちょっとだけ有名かも。

伝承では、滝野川城跡に立つと伝えられている金剛寺周辺は源頼朝の布陣伝承地2022年の大河ドラマ『鎌倉殿の13人』でいうと、第5回から始まっている合戦です。
源頼朝は伊豆で挙兵し、初戦に勝利はしたけれど石橋山の合戦で負けて安房へ逃れることに。上総と下総の諸将を率いて隅田川を渡り、治承4年(1180年)に滝野川のこの地に布陣したというが、これも伝承というレベルのようです。
そして滝野川から板橋を通り、府中六所明神(現在の「大國魂神社」)へ向かい、鎌倉を目指していくわけです。

滝野川城 基本情報

  • 築城年:文明年間(1469~87年)頃
  • 廃城年:文明9年(1477年)頃?
  • 築城主:豊島氏?
  • 種類:不明
  • 天守:不明
  • 主なタイトル  -
  • 主な遺構:なし
  • 文化財指定:なし
  • 所在地:東京都北区滝野川3丁目88-17 金剛寺
  • アクセス:JR王子駅から徒歩10分。王子駅前は路面電車が通っていて、道を越えた反対側になかなか行けないので要注意。
  • 駐車場:
  • トイレ:無し
  • 売店・食事処など:無し
  • 女子城メグラー 難易度:★★★★★
    JR王子駅から歩いて10分。散歩感覚で行ける城跡。近くには飛鳥山(飛鳥山城跡)もあるのでセットで散策できます。ただし、滝野川城跡に行くには飛鳥山に沿って歩いていくと、道の反対側に行けず、遠回りになるので要注意。

遺構とみどころ

遺構は見つかっていません。

立地について

駅前にある桜の名所である飛鳥山も城址と伝わっているが、高台に築かれた飛鳥山城と比べると平坦に思えるが、石神井川のそばにある舌状台地にある。(飛鳥山と比較すると比高差がバグるけど、川から比べると確かに高いところです。)
Wikipediaによると「滝野川」という地名はそもそも石神井川のことのようだ。

滝野川とは本来は石神井川のことであり、由来ははっきりしないが、石神井川の滝のように速い流れからとするのが通説である

Wikipediaより

豊島氏の拠点である石神井城とは石神井川で行き来できるし、立地としてはここに城を築きたくなってもおかしくはなさそうです。

滝野川城 縄張図

滝野川城の縄張図はありません。

滝野川城 御城印

滝野川城の御城印は(入手していませんが)、王子にある「渋沢×北区 飛鳥山 おみやげ館」で手に入ります。
滝野川城の御城印はアマビエ様付き

滝野川城 御城印 440円


 

滝野川城へ

王子駅周辺は路面電車に注意!王子駅を出たら飛鳥山に沿わず、路面電車を挟んだ反対側の道に沿って歩くのがおすすめ。飛鳥山に沿って歩いていたら反対側に行けず、歩道橋を探して歩いて20分くらいかかってしまった。横切るところが無いうえに道が入り組んでいるので、なかなか思うところにたどり着けないです

石神井川に沿って武蔵野の路という散策路が整備されていて、この道が散歩するのにちょうどよい感じ。

滝野川城跡までの散策路
滝野川城跡までの散策路

滝野川城周辺は源頼朝が打倒平氏を掲げて挙兵した際に布陣したと伝わるけれど、金剛寺の案内には「治承4年(1180年)10月に源頼朝は軍勢を率いて滝野川の松橋に陣をとったと伝わる」と掲載されていましたが、その「松橋」という地名がつけられている橋を越えると不思議な形をした公園が見えてきました。入口が細い???

音無さくら緑地
音無さくら緑地

音無さくら緑地は、石神井川の旧河川を利用してできた公園。自然の川岸が残されていて古い地層も残されているそうな。

音無さくら緑地
石神井川の蛇行がそのまま公園になっている!

Google Mapで見ると、石神井川、音無さくら緑地、滝野川城跡(金剛寺)の位置関係がわかる。
石神井川って昔の絵図をみると細かく蛇行している部分があるけど、こんな細かく蛇行していたらそりゃぁ水害も起こるよな、と納得。

付け替え前の石神井川
蛇行していた石神井川

Google Mapで俯瞰で見ると、「松橋ハイツ」があるあたりに城を築きたくなる。三方を石神井川に囲まれるわけだし。
だけど、石神井川の氾濫でものすごく苦労してきたということなので、松橋ハイツがあるくらいの高さではダメか

石神井川の氾濫でいかに苦労してきたかは、北区飛鳥山博物館にわかりやすい展示がありました。この周辺の民家は石神井川の氾濫があった時のために蔵を備え、主屋が水害にあった際には蔵で生活ができるようにしたり、蔵の中には氾濫した川で行き来できるように船を天井からぶら下げていたそうです。
音無さくら緑地
奥には吊り橋も

湧き水を利用したちょっとした水場もあるらしい。

滝野川城の名残を探して

松橋、紅葉橋を越えるとすぐのところにある金剛寺。ここが滝野川城跡とされている。

滝野川城跡
滝野川城跡にある金剛寺

滝野川城跡とは異なる源頼朝の布陣伝承地の案内版があるのみ。

金剛寺
源頼朝の布陣伝承地の案内板

遺構は残っていないため金剛寺の中には入らずここで終了。

城の写真整理とコメントを書くより、事実と史実を調べる時間がの方が長かった城跡でした。
とにかく情報がない!

王子駅からの所要時間30分の東京お城散歩でした。

<終わり>


コロナで遠出ができないなか、城址碑しか残っていない、いや、城址碑すらない、はたまた本当に城がその場所にあったかもわからないような、書こうにも情報があまりにも無い城をめぐってます。
①石浜城
②稲付城
③滝野川城
④飛鳥山城
⑤平塚城
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