佐敷城の続きです。本丸、二ノ丸を散策し、三ノ丸に行く前に先に追手門を確認しにいくことに。
通常の見学ルートは本丸、二ノ丸を見て三ノ丸まで降りれば終了なのですが、雨の中でも城好き女子3人。縄張図頼りに案内板には無かった南出丸、北出丸まで行ってきました!
追手門
追手門は本丸の真下にある門で、出土した礎石から巨大な城門であったと想定されています。
追手門が立っていた桝形はある程度の広さがあるけれど、石段を下りきるとぶつかる通路はかなり狭い。これが本当に大手!? 搦め手では!?と思うほど。
二ノ丸東門跡もそうでしたね。門の礎石を通過して石段を下りきったところは狭い細い通路。一度に多くの人を通させない防衛策もあるかもしれないけど、そもそも山の尾根にこれだけの石垣の曲輪を作ることを考えたら致し方ないのかな。
見どころ 追手門のおすすめ撮影スポット
追手門は近くで撮影するのもよいけど、最もおすすめなのは二ノ丸東門付近から撮影すること!

まるで空撮! 絶景だね!
ドローンを使わなくてもまるで空撮しているように追手門跡の全体像がわかります。
城の造りを把握するというだけでなく、ここからは映える写真が撮れる!
石段のまわりは石垣の石が落とされているだけでなく、徹底的に破壊されていて高さ1mにも満たないけれど、それはそれで味がある。
追手門は礎石跡から脇扉を備えた城門だったことがわかっているそうです。
そしてここからは「天下泰平」銘鬼瓦が出土しています。佐敷城のパンフレットによると、このタイプの鬼瓦は珍しいそうな。
文字自体をデザインとした鬼瓦は全国的に非常に珍しく、天下泰平国土安穏の文字に長い戦乱の世が終わったことへの人々の思いが感じられます。
芦北町教育委員会 佐敷城跡パンフレットより
一説によると、追手門付近で破城の時の儀式が行われていて、この鬼瓦はその時に使われたのではないかということ。
破城の時の儀式ってどんなことするんだろうな。
追手門跡の石段を下りきったところから仰ぎ見るのもまた味わい深い。
写真は追手門を下ってきたところ。足元を見ると石垣がしっかり貼られているのがわかる。これ以上乗り出すのは怖いのでこれが限界。
追手門散策を終えたら上まで登り、二の丸下の道(二の丸東門を降りたところ)を通って三の丸へ向かいます。
これよこれ!二の丸東門を降りて出たところなのだけど、こんなに狭い。2人は通れない。もとからの設計なのか、崩れ落ちたものなのか。この狭さゆえ、二の丸東門あたりから下を眺めると、石段が続いている先が断崖絶壁に見えるのだよ。怖っ!
三ノ丸
三の丸は二の丸から一段下がったところにある曲輪。取り囲む石垣は東側、西側は残っていますが、南側は近代の開発で失われたそうです。写真では曲輪の左(東側)に石垣が見えます。

三の丸の東側と北西部に城門があったという。東側(写真左)は石垣らしきものが残っていて、そこから続く道に降りられるようにはなっているけど(降りようと思えば降りれる。でも普通は降りない。ワタシ達は登りはしたけど)、「北西部」というのはよくわかりませんでした。
本来なら散策はここで終了。でもやっぱり気になる「登城口推定」の道。ということで登城口推定の道を上るとたどり着く南出丸を捜しに行きます。
石垣のそばのこんな細い道を歩いて

大きく左にカーブ。三の丸の石垣の下を歩いていく。写真中央に三の丸から降りられるようになっている道が無くはない。これが「三の丸の東の城門に続く道」なのかな?
真横にくるとこれまた迫力がある。
南出丸
三ノ丸の先、北東へつながる尾根上にある南出丸に到着。階段状に平場があるということなのだけど、清正公の祠があるところが一段高くなっているのはわかりました。(荒れていて墓石のように見えたのでちょっと怖くて写真は撮らなかった。)

出丸の先は平場で足場が悪いので奥には行きませんでした。
祠を作った一角の名残のような石もあれば、石垣が崩落したような石のような、種類の異なる石が転がっている。
で、肝心の「推定登城口」ですが、
縄張図からすると、この降りていく道が本来の登城路と思われる。これが合っているとすれば、降りていくと道がつづら折りになっていて、御殿曲輪へつながっているはず。
(御殿曲輪には細川氏の統治の時代に「佐敷御茶屋」と「御蔵」があったそうです。)
南出丸に入るとすぐ左側(東側)にあると縄張図にあり、位置的にたぶんこれだろうと。
降りてみたかったけどロープが張ってあったし、雨の中のこのコンクリート階段は確実に滑り落ちるので南側はここで撤退です。
見どころ 南出丸から見る本丸はフォトジェニック!
本丸方面から南出丸を目指すときに見えてくる石垣の「破壊されている感」が趣きがあるのですが、南出丸側から眺める本丸がまたかっこよい!

この日は雨。早朝だったこともあり濃霧まで出ていてかなりガスって視界不良でしたが、それがまた廃墟感を煽る。
それにしても、超絶天気悪いな
そういえばこのメンバーで行った高根城の旅はほぼ台風ぶち当たりで、雨合羽を着ながらの行軍だったっけ。確実に雨女がいる。(ワタシではないっ!) 女性4人と静岡に転勤してきていた男子1名のほぼ女子旅だったんだけど、楽しかったなぁ。
ここからの撮影は難しく、石垣の隅石も入れて撮ろうとするとこうなります。
ライト!?スピーカー!?邪魔だぁぁぁ!引きの絵が撮りたいんじゃぁぁぁ!
さぁ帰ろう。と搦手口から出ようとしたらつい気になってやっぱり北出丸に降りてしまった
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