東京国立博物館 平成館で行われていた琉球展に行ってきました。
今年2022年は沖縄が本土復帰してから50年。それを記念した展示会です。
御内原(うーちばる)に聞得大君(きこえのおおきみ)の簪、神女(ノロの装束)など、「テンペスト」の世界! たまらない展示でした!
2021年、2022年の春に沖縄の城めぐりを予定していたのだけどコロナのために2年連続断念。
沖縄の雰囲気を味わいたくてやってきたのだけど、見たかったのは沖縄の衣裳。そして城に関する展示があればなーと思っていたのだけど、城に関する展示は少ないものの、初めて見るものが多く、期待以上でした。
1.万国津梁 アジアの架け橋
琉球と諸国の外交の展示。
首里城と那覇港を描いた絵図や冊封使(琉球の王が代替わりすると中国からそれを認める使節団)が行き交う様子を描いた絵図に御物城(おものぐすく)や三重城(ミーグスク)、波上宮も描かれていてテンションが上がる。
御物城とは、王府が貿易で得た品々を格納している倉庫の役割を果たしていたところ。NHKの「ブラタモリ」の沖縄・首里の回でちょこっと出てきましたね。
それにしても驚いたのは、中国船だけでなく、ローマ帝国の貨幣やオスマン帝国の貨幣も出てきたということ!琉球ってそんなに遠くの国々とも交易していたのね。
2.王権の誇り 外交と文化
琉球王朝の王族に焦点を当てた展示。衣装や装飾品の数々。
御内原(うーちばる)にいた女性達の生活がわかるような素敵なお宝がたくさん!
このエリアはテンション上がった~
特にテンションが上がったのが、「聞得大君御殿雲龍黄金簪(きこえのおおきみ うどぅんうんりゅうおうごんかんざし)」!
聞得大君とは主に国王と琉球王国を守護するために行う神事や祭りを行う「ノロ」の中でも最高峰で、王家に縁がある女性が就任しました。特別な力を持つ女性の呼び方としては現在は「ユタ」が有名だけど、ユタはどちらかというと民間信仰の中で神事を行った女性たちでした。
すごいな。聞得大君の簪、初めて見ました。「頭」の部分はこぶしくらいの大きさもある。
まさに「テンペスト」で聞得大君を演じた高岡早紀が結った髪に刺していました。
そして「金頭銀茎簪」。「頭」の部分は金で棒のところが「銀」。金の部分の細工が細かい。
琉球の時代は位によって身に着ける簪が違っていました。銀だけでなく一部に金も使われていたので、これを見に付けた人はそこそこ位が高かったんじゃないかな。
そしてここからは写真撮影OKエリア。
国宝 ざっくざく。お宝いっぱい
国宝 金装宝剣拵(千代金丸)
金装宝剣拵は別名千代金丸。尚家に献上されたと伝わる名刀だそうで、「刀剣乱舞」にも出てくるらしく、賑わっていました。
刀のことは良くわからないのだけど、一般的な日本刀の鞘とは違って琉球独自のしつらえだそうです。公式サイトによると、
もとは今帰仁城(なきじんじょう)を本拠とした山北(北山)王歴代の一振で、のちに尚家に献上されたと伝わります。
ということで、今帰仁城からやってきたと思うと感慨深い。
国宝 黄色地格子鳥二の字文様絣苧麻衣裳
日常着のように見えるけどこれも国宝!
千鳥格子模様と「二」の字の模様が面白い。「二」の字は良く使われているデザインパターンのようです。
国宝 白地流水蛇籠鶴菖蒲文様紅型苧麻衣裳
水の紋がまるで蛇のようにも籠のようにも見える。めちゃくちゃクールでかっこいい!
鶴も琉球仕様だと赤が効いていて、独特だなぁ。
続いて王族の祝宴で用いた調度品たちです。
国宝 美御前御揃(御玉貫)
これはかわいいぞ。
王族の祝いで使われた調度品、美御前御揃(ぬーめーうすりー)は、御玉貫(うたまぬち)、金銀酒器、御籠飯(おくふぁん)の3つから構成されているそうです。
この御玉貫は、注ぎ口の上にまるで果物がのっているみたいでかわいい。
でも、注ぎ口のところの模様は巴紋と、ただかわいいわけではなく、締ったデザイン。
現代ならビーズで作れるかもしれないけど、このサイズのガラス球を作るのも難しければ、つなぎ合わせるのも難しい。すごいな。
撮影禁止エリアにも御玉貫があったのだけど、そちらは注ぎ口の文様がクレイサスの花柄っぽくてかわいかった。
国宝 美御前御揃(金杯・銀杯洗・托付銀椀・銀脚杯)
ゴージャスな金と銀の盃のセット。金杯は国王の盃。
日本の盃とは異なり、脚がついていてワイングラスのよう。銀の足付きの盃でも側面に細工があって素敵です。
朱漆巴紋牡丹七宝繋沈金御籠飯
国宝 美御前御揃(朱漆巴紋牡丹七宝繋沈金足付盆と御籠飯)
御籠飯はご飯を盛る容器。朱漆塗りのこの容器は、巴紋を沈金という技術で模様を付けています。これまた芸が細かい。
琉球展はまだまだ続くよ。まだ着物を見ていなかったね!
>> まだまだ続くよ 国宝の色とりどりの着物たち
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