2023年の大河ドラマ『どうする家康』を勝手に応援企画!
2022年11月。松平のルーツをたどる旅として、松平発祥の地である松平郷の松平氏館をはじめとして、三河の城めぐりをしてきました。
大河ドラマの影響で混み出す前に!と思って気合いを入れて行きましたが、紅葉が美しく、のどかで良きところでした。
松平郷とは
徳川家康から遡った松平氏の発祥の地である松平郷にある松平氏館。資料によっては「松平館」と表記されている。館があったとされる場所に現在は松平東照宮が鎮座していて、館を囲んでいたと思われる堀が残っています。
案内によると、この松平郷を開拓したのは後宇多天皇(在位1274~1287年)に仕えた公家の在原信盛で、弘安年間(1278 〜1287 年)に入郷し、現在の松平東照宮の場所に本屋敷を構えたといいます。
この地を訪れた旅の僧である徳阿弥が信盛の子である信重の娘の婿として家を継ぎ、還俗して松平太郎左衛門親氏と称したという。
この徳阿弥。どこまで本当かはたどることが難しいのだけど、新田源氏世良田氏の末裔ということに家系図的にはなっています。
ここにも2023年1発目の城巡りで訪れているのでそのレポは後ほど。
松平郷の周辺はまるで「松平テーマパーク」!
松平の始祖とされる松平親氏の墓所と銅像、高月院にある家光が寄進したという将軍門、さらに『どうする家康』の松本潤殿も訪れた徳川家康公の産湯の井戸などがあります。
立地について
豊田市街から東に10km、標高260m。途中は国道とはいえコンビニもない山の奥にあります。代が進むにつれ、松平氏は領土を広げ、徐々に南下していくとともに館や城を築いていきます。
松平郷 縄張図
現在の松平東照宮が松平氏の館跡と考えられているが、松平の始祖とされる松平親氏時代の建物などの詳細は不明。
現在残る水堀や石垣は、9代の松平尚栄が関ヶ原の合戦後の慶長8年(1613年)以降に築いたと考えられています。
松平郷 松平氏館跡へ
駐車場に車を停め、館跡だったとされる松平東照宮へ。紅葉の季節だったこともあり、木々が赤く色づき、堀にも映り込んでまるで夢のよう。観光客だけでなく、カメラマンや七五三の親子連れで賑わっていました。
「週刊 日本の城」によると、徳川将軍家とは別の道を進み、松平郷に在住して納めた松平太郎左衛門家は、大正初期までこの地に居住していたという。
前述しましたが、現在残る水堀や石垣は9代の松平尚栄が関ヶ原の合戦後の慶長8年(1613年)以降に築いたと考えられています。
八幡神社 松平東照宮。ご祭神は誉田別命(ほんだわけのみこと)八幡様、徳川家康公、松平親氏公、その他六柱。ということで、徳川家康公と松平の始祖である親氏公が祀られています。
家康にあやかったのであろう、立身出世の神、政治の守り神として崇拝されているそうです。
ここはもう、城跡を鑑賞する場所ではないな。紅葉観賞をする場所だ! 黄色、赤、緑がとても美しい。
右側にあるのは松平郷館。松平親氏公の坐像や松平家に関する資料を展示しています。ここで時間をかけるとその後のスケジュールに響くので中に入らなかったけれど、松平親氏公坐像は見てみたい。
左側にある社務所では松平東照宮の御朱印を授けていただけます。
徳川家康公 産湯の井戸
松平郷の見所の一つが家康公の産湯の井戸。松平信光(松平親氏の子で家康の6代前)もこの井戸の水を産湯として使ったと現地の案内版にありました。
井戸の手前には立派な門が建てられている。
なんと珍しいことに井戸には石の蓋がされている。しかも建物の屋根の形をしている!
石板の蓋のある井戸は、当時としては極めて珍しいそうです。
産湯の井戸についてはいくつか伝承があるようですが、現地案内版によると、
天文11年12月26日に岡崎城において松平家康(徳川と改姓)が生誕されたとき、太郎左衛門家7代当主親長が竹筒へ詰めて速馬でこの水を運んで産湯に用いた記録がある。境内地(元松平家館跡)には七つの井戸があったが、この井戸は最も古く此の所に館を構えた当時造られたものである。松平氏の氏神八幡の宮の前庭(今の奥宮)にあり石畳で囲い石段を下りて水を汲むようにできている。
ということで、「石畳で囲い石段を下りて水を汲むようにできている」という雰囲気が味わえます!
いと、味わい深し。
そしてもうひとつの見所がこれだ!
まるでダビデ像!?松平親氏像
この松平テーマパークでの見所がこのダビデ像・・・じゃなかった松平親氏像!
なんだこのミスマッチ感!
すごいな。筋骨隆々。完全に西洋の作り方だ!
松平親氏公の像はそれはそれですごいけど、振り返ったらもっとすごかった!
一面の紅葉!!!
この先にある高月院というお寺は桜がきれいだそうで、春は高月院の桜、秋は松平氏館と親氏像の紅葉。松平郷は散策して過ごすのにおすすめです。
奥深い山の中にある松平郷はまるで隠れ里のようでした。ここから南下して領土を広げ、岡崎へ進出していくんですね。
2023年は松平郷から徐々に南下して徳川氏関連の城をめぐります!
松平郷 基本情報
- 築城年:不明
- 廃城年:明治
- 築城主:?
- 種類:居館
- 天守:なし
- 主なタイトル:-
- 主な遺構:堀、郭、家康公産湯の井戸がある
- 文化財指定:国指定史跡
- 所在地:愛知県豊田市松平町赤原13-9
- アクセス:名鉄豊田線の豊田市駅から「とよたおいでんバス」大沼行きで40分。松平郷バス停下車して徒歩5分。
車でしか行ける気がしない・・・。 - 駐車場:あり
- トイレ:あり
- 売店・食事処など:無し
- 女子城メグラー 難易度:★☆☆☆☆
豊田市駅から「とよたおいでんバス」が通っているものの、アクセスは悪く途中で降りても山の中でコンビニもない。何もない!
「松平発祥の地」ということで、のどかな山の中にあり、「隠し里」のような雰囲気があります。
車でしか行きにくいのが難点。単郭の居館跡なので、着いてしまえば散策は何の問題もなし。敷地内に徳川家康公産湯の井戸があったり、松平東照宮、さらに徒歩圏内に松平城もあります。
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